ミュージカル映画って、なんだか特別感がありますよね。
歌やダンスが絶妙にストーリーに組み込まれていて、観ているだけなのに感情移入してテンションがあがります。
（ミュージカルが好きな女性、実はめちゃくちゃ多いんです。）
一方で、「ミュージカルって苦手なんだよね……」という人が少なからずいるのも事実。
歌って踊るなんて「現実離れしている」とか「浮ついている」とか、果ては「なんで踊りだすの？」なんて人もいます。まぁ、ごもっとも。
ですが、「なんとなく」苦手な人は、ミュージカル映画の楽しみ方を知るだけで一気に新しい世界が開けます。
映画好きなのにミュージカルは見ません、というのは本当にもったいない。
好きな人と映画を見るとき、あなたの好きな映画だけ選んでいませんか？
作品について知れば知るほど面白いのがこのジャンル。
ミュージカル映画とは、登場人物の想いや願いをメロディに乗せ、ときに切なく、ときに激しく歌い上げる映画の総称です。
歌やダンスはあくまで表現のひとつ。その先にある主題を是非見極めてほしいです。
この記事では、ちょっとミュージカルが苦手な人でも楽しめる名作・傑作・有名な作品を10個紹介します。
無料鑑賞できる作品もありますので、気になった作品は詳細もチェックしてくださいね。
休みの日にゆっくりひとりで、または好きな人と一緒に、ミュージカル映画を楽しんでくださいね。
【おうち映画のすすめ】家で映画鑑賞するメリットと必須グッズ！も参考にどうぞ！
目次
ミュージカル映画の楽しみ方
「ミュージカル映画って何が楽しいの？」
こんな疑問を持っている人は、以下の項目を押さえておきましょう。解説しますね。
- ストーリーが単純なものが多い
- 歌詞やダンスの表現したいものを想像する
ストーリーが単純なものが多い
予備知識として。ミュージカル映画は、映画の中に舞台のミュージカルを取り込んだ作品です。
ミュージカルは元をたどるとオペラ（舞台演劇）なので、ストーリーの大部分が歌によって進行します。
歌っている時間がかなりあるので、ストーリー自体は単純なものが多いです。基本的には。
ですので、過度にストーリーの重厚さを期待してはいけません。基本的には。
そう、ストーリーが作りこまれた作品もあるんです！
後述する「ラ・ラ・ランド」なんかがおすすめです。
歌詞やダンスの表現したいものを想像する
いきなり踊りだす理由です。
歌やダンスはあくまで表現のひとつ。その先にある主題を是非見極めてほしいです。
ちょっと例を挙げて解説します。
「グレイテスト・ショーマン」のこの一幕。まずは動画を見てください。
主人公バーナムが、上流階級とツテのあるフィリップをスカウトする場面。
スカウトを受けるか否かから始まり、報酬の交渉後に、意気投合する、という流れ。
冒頭バーナムは、ダンスと歌でフィリップをスカウトします。ちょっと挑発気味。
"Out of the drudgery and walls you keep in." 「退屈な仕事や心の壁を打ち破るんだ」
"It'll take you to the other side." 「いつもと違う世界に連れて行くから」
負け時とフィリップが応戦。バーナムと同格以上の歌とダンスで「自分には実力がある」ということを見せつけます。
”Can'tchu see I'm doin' fine？” 「僕がうまくいっていることが見てわからないのか？」
ですが、さすがはグレイテスト・ショーマン。フィリップが現状に満足していないことを見抜き、少し引いて取引をします。
"I guess I'll leave that up to you." 「決めるのは君自身だよ」
しっかり釣られるフィリップ。明確な回答をしないまま、見栄を張った報酬交渉を開始します。
ショットの飲み合い（意地の張り合い）が始まりますが、バーテンダーに支払いを請求され払えないバーナム。フィリップが支払い"借り"を作ったことでフィリップの方が駆け引きを制し、報酬額が決定します。
その後二人で息のあった歌とダンス。最終的には二人で同じ振り付けで踊ります。
"We're goin'to the other side." 「違う世界へ行こう」
少し長い解説になりましたが、いかがでしょうか？ちょっと面白く感じてもらえたんじゃないでしょうか？
いきなり踊って歌いだしたその時、途上人物は何を思い、どんなストーリーが表現されているのか。
この視点をもつだけでミュージカルは何倍も楽しくなりますよ！
有名ミュージカル映画おすすめ10選
前置きが長くなりましたが、ここから本題。おすすめミュージカルを紹介していきます！
イン・ザ・ハイツ
ニューヨークの片隅、地下鉄の181丁目駅から地上へ出ると――そこは人々の夢と固い絆で結ばれた活気あふれるヒスパニック系移民街、ワシントンハイツ。すべての夢が交わる場所に１軒の食料雑貨店がある。街のみんなから慕われる店主の若者ウスナビは、日々の稼ぎをそっくり貯金に回しながら、より良い暮らしを願い、思い描き、そして歌う。
この映画はニューヨークのワシントンハイツ地区を舞台に、厳しい現状に立ち向かう若者たちの夢と挑戦を描いています。
見どころは、リン＝マニュエル・ミランダが手がける斬新なミュージカルパフォーマンス。
ヒップホップ調の音楽と壮大なダンスシーンで、従来のミュージカルのイメージを覆す刷新作です。
詳細 >>映画「イン・ザ・ハイツ」の感想｜あらすじとキャストも紹介
ハイスクールミュージカル ザ・ムービー
卒業を控えたイースト高校の最上級生たちは、一生の思い出を作るために、ワイルドキャッツの仲間たちとミュージカルを上演することに。テーマは、未来への希望や不安…そして共に成長してきたかけがえのない日々。ところが卒業の日が近づいても進路は定まらず、それぞれの心は揺れる。彼らの夢や恋、そして友情はどうなるのか？
引用：Disney＋
「進路に迷う高校生たち」がテーマです。
全編を通して聞き心地のいい名曲が流れ、観る人を魅了します。シリーズ初の映画だけにスケールが大きく、見応えのある豪華なミュージカルシーンが目白押し。
クライマックスでは、キャラクターたちの心の葛藤と未来への覚悟が一気に解放され、まるで自分もその場にいるかのような感動が待っています。
ただの高校生活を描いた作品ではなく、音楽と共に織り成す感動のドラマを体験できる一作です。
詳細 >> 映画「ハイスクールミュージカル ザ・ムービー」のあらすじとキャスト・感想｜配信されているのは？
ザ・プロム
ニューヨークの“元”超人気舞台俳優ディーディー(メリル・ストリープ)とバリー(ジェームズ・コーデン)は、新作ブロードウェイミュージカルが大コケしてしまい、役者生命の危機が訪れ大ピンチ。一方、インディアナ州の田舎町では、恋人同士の女子高校生エマ(ジョー・エレン・ペルマン)とアリッサ(アリアナ・デボース)が、女性カップル２人でプロムに参加することが問題になって禁止され、悲嘆に暮れていました。ひょんなことをきっかけにその事実を知ったディーディーとバリーは、この機会に乗じて自らの役者イメージを挽回しようと、同じくキャリアアップを図るアンジー(ニコール・キッドマン)らと共に計画を練ることにしますが、ベテラン俳優たちと、若い女性カップルが交わることで、思いもよらない騒動と、愛と感動のドラマが待ち受けていましたーー。
引用：Filmarks
重厚なテーマ「アメリカにおける性的マイノリティの差別」を扱う本作。
力強いメッセージは絵力あるキャストと楽曲、華麗な衣装によって力強く表現されます。
確かに、ストーリーはご都合主義的な展開もありますが、その全てを払拭するほどの魅力が詰まっています。
特に「人生にリハーサルはない」といったメッセージに、心打たれた人は多いのではないでしょうか。
社会的テーマとエンターテイメントが見事に融合した、見逃せない一作です。
詳細 >> ミュージカル映画「ザ・プロム」感想とあらすじ＆キャスト
グレイテスト・ショーマン
主人公のP.T.バーナムは＜ショービジネス＞の概念を生み出した男。誰もが“オンリーワンになれる場所”をエンターテインメントの世界に作り出し、人々の人生を勇気と希望で照らした実在の人物だ。そんなバーナムを支えたのは、どんな時も彼の味方であり続けた幼なじみの妻チャリティ。彼女の愛を心の糧に、仲間たちの友情を原動力に、バ ーナムはショーの成功に向かって、ひたむきに歩む。
FIlmarksより
冒頭でも紹介した本作。実は評論家からの評価は結構厳しかったりします。
が、そんなことはお構いなしです！ミュージカルシーンの迫力と楽曲のクオリティで観客を圧倒します。
上記で例に出したダンスシーンは圧巻でしたね。1秒も目が離せないレベル。
ストーリーの展開がご都合主義すぎるという批判もありますが、その全てを補って余りあるほどのエンターテインメント性があります。
見て、聴いて、感じる三拍子そろった極上のミュージカル体験を提供してくれます。必見です！
詳細 >> 映画「グレイテスト・ショーマン」はミュージカルが苦手な人にこそ見てほしい！あらすじとキャスト
ヘアスプレー
60年代のボルチモア。ハイスクールに通うトレイシーは、人気TV番組に出演して踊ることを夢見ていた。ある日、トレイシーは母親の反対を押し切って番組のオーディションに参加するが、番組の中心メンバー・アンバーとその母親に追い払われてしまい…。
U-NEXTより
「ヘアスプレー」は60年代アメリカの人種差別と体型差別をテーマに、楽曲とダンスでその重いテーマを明るく描いた作品。
主人公トレーシーの前向きなエネルギーが、差別や偏見を吹き飛ばし、観る人に勇気と元気をたっぷりと与えてくれます。
ジョン・トラボルタが演じるトレーシーの母親も見どころの一つで、そのダンスと歌はまさに圧巻。
重いテーマ性と楽しいエンターテインメントが見事にマッチした、ハッピー系ミュージカルの代表作です。
詳細 >> 映画「ヘアスプレー」あらすじとキャスト、そして感想【おすすめ】
RENT（レント）
1989年、ニューヨーク。イースト・ヴィレッジで毎月の家賃も払えないような生活を送る若きアーティストたち。彼らは犯罪、エイズ、ドラッグ、同性愛、友の死など、さまざまな問題に直面しながらも、愛や友情を信じ、夢に向かって今日を生き抜いていく。
U-NEXTより
「RENT」は、社会的なタブーであるHIV、貧困、LGBT問題を背景に、若者たちが力強く生きる様子を描いた作品。
ミュージカルの天才ジョナサン・ラーソンの遺作で、ロックやポップの音楽が響き渡る、斬新なミュージカルですね。
夢に向かって進む人々の生き様がパワフルに描かれており、観る人に「生きる」ことや「自分の夢」について考えさせられる、深い作品です。
詳細 >> 映画「RENT／レント」が観れるサブスクは？あらすじとキャスト・感想
チック、チック…ブーン！
一流のミュージカル作曲家を目指す青年。30歳に向けてカウントダウンが始まるなか、恋や友情の悩み、最高の作品を作りたいという焦りに直面していく。
Netflixより
名作「RENT」の生みの親、ジョナサン・ラーソン。その半生を描いた自叙伝的ミュージカル映画です。
30歳を目前に控えた焦りと期待、そして生活の厳しさがリアルに描かれています。が、この重いテーマをポップで疾走感のある楽曲で包み込むアプローチは「お見事！」と言わざるを得ません。。
映画では、スパイダーマンで名高いアンドリュー・ガーフィールドが主演。彼の歌唱力と演技力が話題を呼んびました。
自分自身の道を模索する全ての人々に、何かを感じさせてくれる作品です！
特に「日常生活を頑張りながらも夢を追い求めている人」は、共感でき、頑張ろうと思える、良い作品だと思います。
詳細 >> 映画「チック、チック…ブーン!」あらすじとキャスト、そして感想
メリーポピンズ
”何もかも完ぺきに近い”乳母メリー･ポピンズ（ジュリー･アンドリュース）が、風に乗ってロンドンに住むいたずら好きな２人の子供たちのもとに舞い降りる。気ままな煙突掃除人バート（ディック･ヴァン･ダイク）の助けを借り、明るく陽気な乳母はあらゆる家事を遊びに変え、毎日を楽しい休暇のように過ごすことで両親と子供たちの絆をよみがえらせ、一家を幸せな家庭に変えていく。
名作「メリーポピンズ」。知っている女性は結構多いんじゃないでしょうか。映画好きなら一度は見ておくべき作品です。
家政婦メリーポピンズが主人公、魔法と現実が絶妙に交錯する世界。ストーリーでは家庭の内外で問題を抱える親子、という世界観とは対照的な問題に焦点を当てています。
子どもから大人まで、誰もが何かしら学びや気づきを得られる作品です。
アニメと実写が交錯することで、不思議で幻想的な雰囲気を生み出しています。
くわえて名曲の数々！ディズニーランドやコンサートでよく耳にするあの名曲が、実はこの映画から生まれているんです……！
ちょっと古いかもしれないけど、そのクラシックな魅力が今も色褪せない理由ですね。
詳細 >> 映画「メリーポピンズ」あらすじとキャスト、そして感想
バーレスク
スターを夢見てロスへやって来たアリはクラブ「バーレスク」の豪華絢爛な舞台に魅せられ…。クリスティーナ・アギレラが圧巻の歌唱力を披露するミュージカル。
ウェイトレスからバーレスク・スターへの躍進を描くこの作品。
夢を追い求めるすべての女性にエネルギーを与える作品ですね。シンプルながらも、そのストーリーには一貫した力強さがあります。
話題になったのは主人公を演じたクリスティーナ・アギレラの歌声。彼女の声の力で、映画が一層引き締まっています。
もはや「アギレラの音楽ビデオが長くなったようなもの」と言ってもいいくらい。
アギレラを知らなくても、かなり楽しめる作品です。アギレラファンになる人もいると思います。
彼女の歌声と舞台設定や衣装、そしてカメラワークが絶妙に組み合わさって、作品全体に見る人をその世界に引き込む魅力があります。
エンターテイメントとしても、人生のエンパワメントとしても、非常に見ごたえのある作品ですね。
詳細 >> 映画「バーレスク」はダンスシーンが必見！あらすじやキャストも紹介
ラ・ラ・ランド
夢を叶えたい人々が集まる街、ロサンゼルス。映画スタジオのカフェで働くミアは女優を目指していたが、何度オーディションを受けても落ちてばかり。ある日、ミアは場末の店で、あるピアニストの演奏に魅せられる。彼の名はセブ (セバスチャン)、いつか自分の店を持ち、大好きなジャズを思う存分演奏したいと願っていた。やがて二人は恋におち、互いの夢を応援し合う。しかし、セブが店の資金作りのために入ったバンドが成功したことから、二人の心はすれ違いはじめる…。
ミュージカルとは思えないほどストーリーが作りこまれた作品。大本命です。
「Another Day of Sun」で始まるこの映画は、一見ド派手ですが、内容は意外とシリアス。
ミアとセブは恋に落ちますが、その一方で各々の夢追いも重要だったり。「夢優先」のスタンスがストーリーとラストに大きく影響してきます。
もちろん歌も注目です。派手な楽曲とは対照的に、バラードはゆっくりと歌われ、音楽としても堪能できるようになっています。
作品には過去のミュージカルへのオマージュがたくさん。まさに「映画好きのための映画」と言えそうです。
すでに多くの作品を見たことがある人はオマージュを楽しんでも良いですし、「あまり知らなくて……」という人も視聴後に調べてから見直すのもオススメですよ。
詳細 >> ミュージカル映画「ラ・ラ・ランド」あらすじとキャスト、感想
ミュージカル映画をお得に見る方法
おすすめは、U-NEXTに登録すること。
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まとめ
「なんとなく」ミュージカル映画を避けているあなた。確かに流し見するにはミュージカル映画は難解です。
ですがちょっと作品について知るだけで、どんどん深みにハマっていけるジャンルでもあります。
ぜひ一度、腰を据えて鑑賞してみてくださいね。
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