映画「君たちはどう生きるか」は、ジブリの宮崎駿監督の作品です。
実際に映画館で観てきたので感想と考察を残そうと思ったのですが、「この作品は気持ち悪い」「意味不明」などの感想が続出しているようです。
決してそんなことはないと思います。備忘録も兼ねて私の感想と考察を置いておこうと思います。
多少のネタバレを含みますが、物語の詳細は避けて書こうと思うので、これから観ようか迷っている人に読んでもらえたらと思います。
映画「君たちはどう生きるか」の概要
あらすじ
*事前情報などはなし。公開されたのは上記のポスターのみ。
小説や漫画の「君たちはどう生きるか」を読破していなくても楽しめました。
ただ、相当の映画好きか、ジブリ大好き全部見た!という人でないと満足はいかないかもしれません。
【多少ネタバレ】映画「君たちはどう生きるか」感想と考察
この映画を一言で表現するならば、「宮崎駿という映画監督の生きた道程」だと思います。
作中いたるところで、今までの作品を連想させる表現が散りばめられています。
切迫した状況下での周囲認識のあいまいさ、人の生死にかかわるグロテスクさや潜在的な恐怖、思いを昂らせ相手を叩きのめそうとする一瞬の怒り、強さの裏に隠れた優しさ等…。
私はこの映画を観てから過去のジブリ作品を見直していますが、あることに気づきました。
宮崎駿監督の制作人生における作品の立ち位置と、物語の中でその作品を連想させる表現が出てくる場所が似通っていたのです。
「もののけ姫」は1997年に公開、2001年には「千と千尋の神隠し」を公開していますが、「もののけ姫」を連想させるシーンのあと物語は大きく転換して主人公がファンタジー世界に足を踏み入れます。
もちろんこれだけではないのですが、宮崎駿監督の中でもこの時期は転換点だったのかな?と思いながら作品を鑑賞すると、なんだか別のものが見えてくる気がします。
物語の終盤で、主人公は世界の主から「この世界を支える自分の役割を継いでほしい」と言われます。「ゆっくり時間をかけてやる」のだとも言っていました。
これは宮崎駿監督の願いでもあるのではないかなと感じました。
「私はこれまでにゆっくり、だが確実に積み上げてきた。今度は君たちにそれを担ってほしい」そんなメッセージではないでしょうか。
主人公の選択がどうかは置いておくとして、この願いは強制ではありませんでした。そんなところも宮崎監督のメッセージなのかなと思います。
これを映画製作だけでなく、映画を観ているすべての人に向けたメッセージと捉えるなら、「君たちはどう生きるのか」は宮崎駿監督の大きな問いかけだと解釈できます。
正直なところ、鑑賞直後の感想は「宮崎映画、もしかしてもう作られない…?!」でした。
ジブリ育ちの私としては大変寂しい解釈なので、本作を何度も見て、別の解釈を見つけたいと思っています。
蛇足かもしれませんが、主人公の父親にも心惹かれました。ジブリで描かれる父親は素敵なキャラばかりですが、身を挺して息子を守ろうとする父親って心あたりないのですよね。
少しから回っているのも珍しいなと思いましたが、私は過去一好きなお父さんです。再婚の件はどうかと思いますが。。
映画館の公開が終わったら独自解釈の解説も書いていきたいと思います。
映画「君たちはどう生きるか」が気持ち悪いといわれる理由
まず、この映画はカップルのデートや親子で見に行くことはおすすめ出来ません。
また、1回見てすっきり「いい映画だった!」といえるような作品でもありません。
ですが、「気持ち悪い作品」ではありません。断じて。
SNSなどのネット上の感想を見る限り、以下のことが「気持ち悪い」という感想の出所になっているようです。
- 思っていた内容と違う
- すっきりしない、伝えたいことがよくわからない
- グロ表現や集合体恐怖症に向かない表現
エンディングの米津玄師さんの楽曲と同じで、この映画は「スルメ」なんだと思います。
最初は嚙み切れず飲み込みにくい。だが繰り返し咀嚼していくことで味が出る。「こういうメッセージがあるんじゃないか」と夢想できる。
人は選ぶと思いますが、私は名作だと思います。いずれDVDが出たら購入したいですね。
まとめ
話題のジブリ映画について感想と考察(?)をつらつら書きました。
映画の料金が高くなって1つの作品を何度も見るハードルがあがっていますが、近いうちにまた見に行こうと思います。
気になった人はぜひ見に行ってくださいね!